株式会社PLANAHEAD 梅元直樹代表が語る、売上規模に囚われない「利益重視」の少数精鋭経営

株式会社PLANAHEAD 梅元直樹代表が語る、売上規模に囚われない「利益重視」の少数精鋭経営

株式会社PLANAHEAD
梅元 直樹

愛知県名古屋市にサロンを構える株式会社PLANAHEAD。「通えば通うほど髪の毛を綺麗にしていく」「今も未来もずっと綺麗でかっこよく」を経営理念に掲げ、髪の健康とおしゃれを両立する施術で多くの信頼を集めています。代表取締役を務める梅元直樹氏は、従来の美容業界における労働環境や経営スタイルに疑問を感じ、真の価値提供を目指して独立されました。急成長に伴う試練やコロナ禍での挫折、相次ぐスタッフの離職を乗り越え辿り着いたのは、売上規模ではなく「利益」を徹底追求する少数精鋭の経営スタイルです。今回は梅元直樹代表に、これまでの歩みと持続可能なサロン経営の極意について伺いました。


美容業界の矛盾に挑み、自由度の高いサロンを目指して

まず初めに、株式会社PLANAHEADのビジネスと、掲げられている理念について教えていただけますでしょうか?

弊社では美容院の運営を行っています。「通えば通うほど髪の毛を綺麗にしていく」「今も未来もずっと綺麗でかっこよく」という言葉を経営理念・ビジョンとして掲げています。美容業界では昔から、カラーやパーマでおしゃれを楽しむ反面、どうしても髪が痛んでいくという矛盾が存在していました。私はそこにずっと疑問を感じていまして、当サロンでは「おしゃれを楽しみながらも、髪を美しく保つ施術」を何よりも大切にしています。

どのようなきっかけや経緯で起業に至ったのでしょうか?

表向きは「自分のやりたい美容を形にしたい」という想いでしたが、当時の美容業界の環境を見ていて「独立開業しないと先がないな」と感じていた背景もあります。また、前職のサロンがターゲットとする客層と、自分が担当したいお客様の層にずれが生じてきたことも大きな理由です。年齢を重ねる中で、使用する商材やメニューの決定権、そして経営の自由度を高めたいと考え、独立を決意しました。

会社経営をするうえで、日頃から意識されているポイントはありますか?

大きく分けて3つあります。1つ目は「スピード感を持った経営」です。良い商材やサービスがあればすぐに試して取り入れる柔軟性とスピード感を強みにしています。2つ目は「客単価の向上と価値提供」です。昔ながらの価格設定のままでは、どうしても現場が過酷になりブラック化してしまいます。だからこそ単価をしっかりと上げ、それに見合う高い価値を提供する構造を作っています。そして3つ目が、売上ではなく「利益の追求」です。利益を残すことで、スタッフの賃上げや労働時間の適正化といった環境整備ができ、さらにお客様へより良い商材や最新機器、設備投資として還元することができます。無駄を削ぎ落として利益をしっかりと還元に回すことで、サロン全体の良い循環を生み出すことを徹底しています。

試練の苦革期を超えて見つけた「少数精鋭」という答え

創業されてから現在までで、特に苦労されたエピソードがあればお聞かせください。

3つの大きな試練がありました。最初は創業2〜3年目の時期で、アシスタント育成のために新卒を3名採用した直後です。スタッフの妊娠や労働観・価値観の違いが重なり、売上づくり・技術教育・労務対応のすべてを私1人で抱え込むことになり多忙を極めました。2つ目はコロナ禍での組織統率です。スタッフ数が過去最大の10〜12名規模となったタイミングでコロナ禍になり、感染対策の制限やストレスから組織をまとめるのが非常に難しくなり、私自身も体調を崩してしまいました。そして3つ目が、コロナ禍以降に続いたスタッフの離職です。毎月1人ずつスタッフが離職していく時期があり、最終的に現在の少数精鋭の体制へと規模が縮小しました。

逆に経営をしていて嬉しかったり、幸せを感じたりするのはどんな瞬間ですか?

自分が「これはいける」と考えて取り組んだ施策に対して、素直にお客さまやスタッフから良い反響があり、結果的にお客さまが増えて売上が伸びた瞬間ですね。また、勤めていた会社員時代と比べて、自分自身の生活や収入面、そして時間の自由度が格段に向上したことも実感しています。ちなみに、これまで数々の苦労はありましたが、資金繰りで困ったことは一度もありません。

人材採用や教育について、現在はどのようなスタンスをとられていますか?

過去の苦労を経て、現在は「無理に人を増やさない」という少数精鋭のスタンスをとっています。美容師の働き方も多様化し、業務委託や独立を望む人が増えた時代背景もありますので、無理な拡大や一方的な教育は行っていません。自立して自ら考えられる店長候補や、私たちの価値観に共感してくれる正社員がいれば採用したい、というスタンスです。教育面では、技術以上に挨拶や振る舞い、トラブル対応などのマナーを徹底しています。自分のやりたいことではなく「お客様が求めているもの」を形にする思考や、仲間を思いやる姿勢を伝えることを意識しています。

時間単価を高め、質の高いリピーターに価値を届ける

経営者として大切にされているポリシーや集客の考え方を教えてください。

「しっかりと利益を残し、巡らせる経営」をつくることです。利益を出すからこそ、最新の設備投資や高品質な商材の導入が可能になり、お客様へ常に質の高いサービスを提供し続けることができます。同時に、スタッフの待遇改善や働く時間の適正化を実現し、未来の美容師たちにも「夢を持てる仕事だ」と感じてもらえる環境を整えています。 また、施術時間に対して確かな価値と利益を生む「時間単価の追求」を意識しつつ、自分の得意・好みではなく、現場のお客様のニーズや求めているものを形にしてリピートに繋げる「顧客本位の本質追求」を徹底しています。

最近導入されたサービスで、他の企業様にもおすすめできるものはありますか?

カットやカラーのついでに行える「光脱毛」の導入ですね。カラーの放置時間やカットの合間(2〜3分程度)を活用して、襟足や髭、腕などの脱毛を施術しています。施術全体の時間を引き延ばすことなく時間単価・客単価をアップさせることができており、お客様にも非常に喜ばれるため、他のサロン様にもおすすめしたい施策です。

Web上での情報発信や集客・ブランディングについてはどのように考えていらっしゃいますか?

Googleビジネスプロフィールや口コミなど、Web上での情報発信はブランディングや将来的なAI検索・検索蓄積の観点から非常に重要視しています。集客においては、安い単価のみを求めるお客様ではなく、提供する価値や技術を理解し、高単価で継続して通っていただける質の良いリピーター層を求めています。美容室はリピートビジネスですので、質の高いリピーターで店舗が満たされれば無駄な新規集客広告は不要だと考えています。

これから開業される経営者へのアドバイスと、今後の夢

現在課題に感じている点や注力されたい施策はありますか?

競合店舗とのさらなる明確な差別化と、継続的な客単価の向上ですね。そのためにも、今後はInstagramやYouTubeといったSNSを活用したイメージブランディングの強化を課題として掲げています。当サロンの想いや「綺麗を保つ施術」の価値をより魅力的に発信し、共感してくださる質の高いお客様との接点を増やしていきたいと考えています。

これから開業を目指す経営者へメッセージをお願いします。

まず「創業初期の無駄遣い」と「2〜3年目での成長停止」には注意してください。創業直後は免税措置や費用計上で手元にお金が残りやすく感じられますが、そこで無駄遣いをしたり成長を止めてしまうと、3年目以降に納税が発生した際一気に苦境に立たされます。逆に大切なのは、現状維持に甘んじず無意識にPDCAを回し続ける姿勢を持つことと、自分の好みを押し付けず、現場でお客様が何を求めているのかを感じ取って応える本質的なマーケティングを行うことです。

最後に、梅元先生にとっての夢があれば教えてください。

個人としては、幼少期からの想いである「本当に好きなこと・やりたいことだけを行って生きていく自由を得ること」です。美容師・経営者としては、お客様を10年・20年経っても周りから「綺麗」「若い」と言われる状態にすることですね。そして私自身、60代・70代になっても健康で現場に立ち続け、価値観の合う少人数のお客様を大切にするサロンとして永く継続していくことです。

Profile

梅元 直樹

梅元 直樹

株式会社PLANAHEAD

代表取締役

設立:
2016年9月
事業内容:
美容院の運営

経歴

株式会社PLANAHEAD 代表取締役。
愛知県名古屋市西区八筋町のサロン「ahead」を展開。約10年前、美容業界特有の労働環境やターゲット層とのずれを感じ、「自らの経営の自由度を高め、顧客へ本当の価値を提供したい」との想いから独立開業を果たす。創業初期の急速な組織拡大やコロナ禍での相次ぐスタッフ離職など数々の困難を経験。その苦労を経て、単なる売上規模の追求から無駄を徹底的に排除した「利益重視経営」へと劇的な転換を遂げる。得られた利益を優秀な商材や最新設備の導入、スタッフの待遇・労働環境改善へと還元し、お客様へより良いサービスを提供する好循環を確立。現在は「カットの合間にできる光脱毛」などの生産性を高める施策を導入しつつ、10年・20年先もお客さまの美を支え続けるサロンづくりに邁進している。

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