事業概要と独自の強み
ーまずはじめに、株式会社f'bloomの事業内容について教えてください。
弊社では、ネイルサロン「f'bloom」の運営と、ネイリストを育成するスクール「TOKYO NAIL+COLLEGE」の運営を行っています。サロン運営だけでなく、次世代の技術者を育てる教育事業にも力を入れています。
ーサロンで提供されているサービスの大きな特徴は何でしょうか?
通常のネイル施術に加え、本物の天然ダイヤモンドをお爪にあしらう「ダイヤモンドジュエリーネイル」をご提供しています。ダイヤモンドは1石ずつ集めていただくことができ、付け替えの際にも繰り返しお使いいただけます。ご自身のペースで集めたり飾ったりする楽しみを重ねていただけるのが、弊社の大きな特徴です。
ーネイルサロンとスクール運営の両方を展開されていますが、石井代表ご自身も現場に立たれているのですか?
サロンに関しては各店舗を巡回しながら現場を見守っており、スクールでは直接生徒さんに技術や知識を教える機会を多く設けています。
大手企業からの転身と起業への軌跡
ー大手企業からネイリストへ転身された理由や、起業のきっかけをお聞かせください。
元々は人事部で採用や教育を担当しており、環境には恵まれていました。ですが働くなかで、「自分の手で直接やった成果を目の前の人に評価してもらえる仕事がしたい」「一生ものの技術を身につけたい」という思いが強くなり、美容業界への挑戦を決意したんです。
ー当時、会社を辞めて美容業界へ飛び込むことに対して周囲の反応はいかがでしたか?
就職氷河期に大手企業に入社できたこともあり、親からは「そんな良い環境を辞めてどうするんだ」「食べていけない」と大反対されました。当時はネイルサロン自体が街にほとんどなく、ネイルを仕事にすること自体が理解されにくい時代だったんです。そのため、まずは会社で約6年弱しっかり社会人経験を積んだ上で次の道へ進みました。
ーその後、どのようなステップを経て独立開業に至ったのでしょうか?
サロン勤めを経て、リゾートネイリストや雑誌制作の裏方、スクールの講師など、ネイリストとしてできるあらゆる仕事を片っ端から経験していきました。そうしてフリーランスのように働いていた際、私の頑張りを認めてくれたのか、あんなに反対していた母から「手仕事でやっていく覚悟があるなら、自分の店を持ちなさい」と背中を押され、独立開業へ踏み切りました。
組織づくりと「人」に関する壁の乗り越え方
ー実際に経営を始めてから、最も苦労されたエピソードは何ですか?
一番苦労したのは「人」に関すること、つまりスタッフの育成やマネジメントでした。組織のトップに立った経験が乏しかったため、人に働いてもらうことやスタッフの生活を守っていくことの難しさを身に染みて実感しました。自分の頑張りだけではどうにもならず、一人で背負い込んで追い詰められた時期もありました。
ーそうした人や組織の課題を、どのように解決していかれたのでしょうか?
経営者としての自分の「器」を大きくすること、そして何より「経営理念」と「スタッフ理念」を徹底して共有することの大切さに気づきました。弊社では、サービスを通じて「女性の心を癒やす空間を提供し、地域社会に貢献する」という経営理念と、「仕事を通じて人間的に成長し、感謝と感動のある毎日を送る」というスタッフ理念を掲げており、迷ったときは常にこの理念に立ち返るよう全店舗で共有しています。
ースタッフの教育や接し方において、具体的に意識されているポイントはありますか?
技術だけでなく、人としての成長を何より大切にしています。素直に「ありがとう」や「ごめんなさい」と言えること、困った時に人に頼れる心の器を作ることです。お客様はスタッフ自身の鏡ですから、私たちが人間として成長してこそ、お客様に心から満足していただけるサロンになれると考えています。
経営者としてのやりがいと未来への想い
ー店舗運営や経営を続ける中で、石井代表が最もやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
お客様が喜んでくださる姿はもちろんですが、スタッフやスクールの生徒さんが「以前はできなかったことができるようになった瞬間」に立ち会えることが一番の喜びです。誰かが成長した先には、必ずお客様の笑顔があります。
ー時代や環境の変化がある中で、サロンを存続・発展させるために大切だと感じることは何ですか?
お客様に求められ、存在し続けることです。コロナ禍の厳しい時期も経験しましたが、お客様やスタッフに支えられ、サロンがあり続けることのありがたさを痛感しました。お客様が戻ってきてくださるような、嘘のない誠実な姿勢でサロンを継続していくことが何より大切だと考えています。
ー最後に、これから起業や経営を目指す方々へメッセージをお願いします。
自分の環境や人生を変えたいと思った時こそ、新しい一歩を踏み出す最高のタイミングだと思います。経営を始めると一人で全てを背負いたくなりますが、大切なのは自分の「器」を大きくし、周りの人やスタッフに素直に感謝して頼ることです。自分自身が人間として成長していく姿勢を持ち続ければ、必ず仲間やお客様が支えてくれます。勇気を持って、自分の想いに挑戦してみてください。