創業期の挑戦を支える資金調達支援と事業の強み
ーまず初めに、藤原公認会計士事務所で手掛けられている主な業務についてお聞かせください。
当事務所は公認会計士・税理士事務所ですので、所得税や法人税の確定申告のお手伝いや日々の税務顧問といった基本業務は当然しっかりと行っております。その中でも、私自身が特に主軸として力を入れ、事務所の強みとしているのが「資金調達のお手伝い」ですね。特に創業期における金融機関からの円滑な融資獲得をトータルでサポートしています。
ー創業時の資金調達において、起業家の方々はどのような悩みを抱えているのでしょうか。
新しく創業された方は、事業を立ち上げるにあたってどうしてもまとまった資金が必要になるケースが多いです。金融機関から資金を調達するためのノウハウをお持ちであれば良いのですが、実際には「どこに行って、何を相談すればいいのか分からない」と悩まれる方が大半です。制度の選び方から書類の書き方まで、専門知識がないと大きなハードルになってしまうのが実情ですね。
ーそうした創業者の方々に対して具体的にはどのようなサポートをされているのですか。
日本政策金融公庫をはじめとする金融機関からスムーズに、そして可能であれば少しでも多くの資金を調達できるよう、事業計画の策定を含めて全力でお手伝いしています。金融機関がどのような視点で事業を評価するのか、その裏側の考え方を踏まえた上で金融機関との橋渡し役となり、事業を軌道に乗せるための伴走を行っています。
独立の経緯と自らの立ち位置を見出すまでの軌跡
ー監査法人から独立し個人事務所を開設されたきっかけについて教えてください。
監査法人での長年の経験を経て自身のキャリアを見つめ直すタイミングがあり、一人の専門家として自らの事務所を立ち上げる道を選びました。独立した当初は何か大風呂敷を広げてスタートしたわけではなく、まずは「自分自身の力で、目の前の経営者の方々にどんな価値を提供できるのか」をひたむきに模索し、自分の立ち位置を確立することから始まりました。
ー監査法人時代のご経験は独立後のサービスにどのように活かされていますか。
監査法人時代には小中規模の上場会社を担当することが多く、組織の奥深くまで入り込んで経営の良し悪しを肌で感じてきました。また、金融機関側の考え方や裏側の視点も知見として蓄積されていました。超大企業ではなく、中小規模の企業に入り込んで培ったリアルな経験や金融機関目線は、世の中の中小企業やこれから挑戦する方々にも必ず応用できると感じておりました。
ー独立してから現在の事業スタイルを確立するまでに、どのようなご苦労がありましたか。
監査の経験があるとはいえ、街の税理士業務の細かな実務ノウハウが最初から完璧にあったわけではありません。「自分は何ができて何ができないのか」「自分の本当の売りは何なのか」を見極めるまでに4〜5年は模索を続けました。名もない一人の会計士が看板を掲げてもすぐには信用してもらえません。試行錯誤を重ねた末に、自分の強みが最もダイレクトに活きる「創業期の資金調達支援」という原点にたどり着きました。
本音で向き合い信頼関係を育む経営ポリシー
ー経営者の方々と向き合う中で、藤原先生が最も大切にされている信念は何でしょうか。
私が何よりも大切にしているのは「信頼関係」です。私たちの仕事は、いわば相手の財布の底まで見せていただくような非常にデリケートな業務です。1回限りの仕事ではなく、数年、十数年と長いお付き合いになるからこそ、まずお互いに強固な信頼関係がなければ話が一歩も前に進みません。信頼こそがすべての土台だと考えています。
ークライアントと信頼関係を築くために日頃から意識されていることはありますか。
お客様と接する際、精神的に“裸”になって向き合うことを心がけています。こちらが心をオープンにして本音でぶつかるからこそ、相手も腹を割って悩みを打ち明けてくださると思っています。できるだけフランクに、何でも気兼ねなく相談できる空気感を作り、形式的な専門家としてではなく一人の人間として向き合うことを意識しています。
ーこれまで多くのクライアントと接する中で集客やご縁の広がりについてはどうお考えですか。
色々な手法を試してきましたが、やはり一番確実で強固なのは、信頼関係をベースにした「ご紹介」です。Webを通じた出会いも大切ですが、長く良いお付き合いを続けていくためには人から人へのご縁が最も心強いと感じています。たとえ事業の形が変わっても、個人としての信頼の繋がりが残っていればまた次のご縁へと広がっていきます。目の前の方と誠実に向き合うことが、結果として最大の近道ですね。
未来への展望と想いを形にする起業メッセージ
ー事務所の将来的な展望や今後目指していきたい方向性についてお聞かせください。
私自身も年齢を重ねる中で、将来的にこの事務所をどう次の世代へ引き継いでいくかという視点を持つようになりました。いつか他の事務所様と連携したり、事業を継承していったりする未来を見据えたとき、相手にとっても「ぜひ藤原の事務所と一緒にやりたい」と魅力的に思っていただけるような、質の高い事業基盤を作っておくことが大切だと考えています。
ー起業家や中小企業を支援する専門家として、どのような心構えで日々の業務に臨まれていますか。
若い頃は「中小企業を元気にし、大阪の経済を支えるんだ」といった大きな言葉を前面に出していた時期もありました。今でもその想い自体は根底にありますが、まずは目の前のご相談者様に対して全力で価値を提供し、確かな信頼を積み上げていくことこそが重要だと考えています。裏技や甘い話に頼らず、王道の正しいやり方で事業を前進させるお手伝いを実直に続けていきたいですね。
ー最後に、これから起業を目指す方や事業に奮闘する経営者に向けてメッセージをお願いします。
起業される皆さんは、間違いなく「これをやりたい」という熱いビジョンをご自身の頭の中に描いていらっしゃるはずです。そうした想いをお持ちであれば、まずはそれを文字にして「可視化」してください。頭の中だけで考えていると、肝心なプロセスが抜け落ちてしまいがちです。言葉にしてアウトプットすることで、「いま何をすべきか」「誰の助けを借りるべきか」がはっきりと見え、事業計画という確かな道標になります。迷ったときはぜひ私たちのような専門家を頼っていただき、一緒に想いを形にしていきましょう。