治療家への原点と独立開業までの道のり
ー事業内容と治療家を目指したきっかけについて教えていただけますか?
現在は「にじいろ鍼灸整骨院・整体院」として店舗での施術・運営を行っているほか、ご自身で通院が難しい方へ向けた訪問鍼灸事業なども展開しています。スタッフも正社員やパート、業務委託など多様な働き方で力を貸してくれています。治療家を目指したきっかけは、高校時代に空手をやっていて怪我をしたことです。そのときに整骨院に通う機会があり、「こういう患者さんを助ける仕事があるんだ」と知ったのが最初の原点ですね。
ー最初から独立・開業は意識されていたのでしょうか?
はい、最初からいずれは独立して自分の院を持ちたいという強い思いがありました。そのため、早く独立に必要なスキルを身につけようと意識して働いていましたね。前職の大手グループ院では役員まで務めさせていただき、実務経験と経営ノウハウを十分に蓄えられたと感じたタイミングで独立を決意しました。
ー開業の地として、なぜ宮原町を選ばれたのですか?
さいたま市北区宮原町は、私自身が生まれ育った地元なんです。昔から馴染みのある場所で、地域の皆さんに恩返しがしたいという気持ちが強くありました。駅からも徒歩数分という好立地にタイミングよく物件が見つかったこともあり、迷わずこの場所で勝負しようと決めました。
組織づくりと人財の壁を乗り越える工夫
ー開業されてから、特に苦労された経験はありますか?
一番苦労したのは、やはり「人の採用と定着」ですね。どうしても経営者である自分と従業員スタッフとでは、仕事に対する熱量や温度感に差が出てしまいます。最初はそこでのコミュニケーションや価値観のぶつかり合いが多く、悩むこともありました。
ーその課題にはどのように向き合って乗り越えられたのでしょうか?
一方の価値観を押し付けるのではなく、働くスタッフ一人ひとりが「今後どうなりたいのか」に耳を傾けるようにしました。独立を目指したい先生なのか、それとも安定して長く働きたい先生なのかによって、目指すべきベクトルは全く異なります。相手の想いや将来のビジョンに合わせて働き方や配置を提案し、歩み寄るアプローチに変えたことで、良い形で組織がまとまるようになりました。
ースタッフの教育や研修で意識されていることはありますか?
院内だけで教育を完結させようとせず、必要に応じて外部の研修や講習会も積極的に活用しています。私自身からの伝え方も工夫しつつ、スタッフが客観的な視点や新しいスキルを学びやすい環境を整えることを意識しています。
集客戦略と「人」で選ばれる院づくり
ー集客やマーケティング面で意識されている工夫はありますか?
店舗に関してはSNSやWeb広告、チラシなど幅広く実施していますが、中でもLINEの活用は非常に効果的だと感じています。現在アカウントには約630名ほどの登録者様がいらっしゃり、予約管理や情報発信のツールとして非常に役立っています。訪問鍼灸に関しては紙媒体を中心にポスティングや施設への設置を行い、認知活動を継続しています。
ー訪問事業をスタートされたきっかけは何だったのでしょうか?
実は元々通われていた患者様から「足腰が弱ったお母様を診てほしい」とご依頼をいただいたのがきっかけでした。店舗に来られない方でもニーズがあるのだと実感し、そこから訪問施術の展開へと舵を切りました。状況に合わせて柔軟にサービスを広げられたのは、事業としても大きな転機でしたね。
ー施術や接客における「にじいろ鍼灸整骨院・整体院」のこだわりを教えてください。
現代は治療技術や医療機器も進化しており、技術面だけで他院と完全な差別化を図るのは難しくなってきています。だからこそ私たちが一番大切にしているポリシーは、「来院された時よりも、笑顔になって帰っていただくこと」です。親身な対応や心地よい空間づくりを通じ、「森田先生やこの院のスタッフだから通いたい」と「人」で選んでいただける院作りを心がけています。
経営哲学と未来に向けた決意
ー経営判断において、日々大切にされている考え方はありますか?
経営者としては「いかに利益を伸ばし、無駄な経費を削るか」という数字面をシビアかつシンプルに見極めることです。私自身、人任せや丸投げにするのではなく、自ら記帳を行い、常に「今何が必要で何が不要か」を判断するようにしています。
ー今後の「にじいろ鍼灸整骨院・整体院」の展望をお聞かせください。
現場の満足度を高めていく横の展開はもちろん、今後は「訪問看護」や福祉用具の分野など、より多角的に地域の方々をサポートできる体制を数年以内に整えていきたいと考えています。自分たちの関われる領域を広げ、地域により深く貢献していきたいですね。
ー最後に、これから独立や起業を目指している方へメッセージをお願いします。
自分の直感を信じること、そして「やりたい!」と思ったその瞬間が一番のタイミングです。しかし、いざチャンスが来た時に資金やスキルが足りず動けないのでは意味がありません。だからこそ、いつチャンスが訪れても即座に行動できるよう、日頃から虎視眈々と準備を整えておくことが何より大切だと思います。