想いと創業への一歩
ー事業内容について教えていただけますか?
当店では主にお花をあしらったパティスリーの経営を行っています。特に女性のお客様をターゲットにしておりまして、「お客様の特別な1日を彩りたい」という理念のもとで日々お菓子をお届けしています。
ースイーツの激戦区である神戸・三ノ宮を選ばれた理由は何だったのでしょうか?
私は長崎県出身なのですが、もともと神戸の街並みが本当に大好きで、この街に住みたいと思って引っ越してきたのがきっかけです。神戸の魅力的な雰囲気に惹かれたことが、この地にお店を出す原点になりました。
ー出店場所の決め手となったこだわりについて教えてください。
私のイメージする上品で綺麗な世界観、そして女性向けのお店にふさわしい場所を探していました。新築でロケーションが良い物件に出会えたことと、周辺の洗練された街の雰囲気が最終的な決め手となりました。
困難を乗り越えた信念
ー創業当時のご苦労についてお聞かせいただけますか?
初年度が一番大変でした。当時は事業資金が十分にない状態だった上に、0歳の子育て中で、さらに二人目を妊娠している時期だったんです。肉体的にも精神的にも、ホルモンバランス的にも本当にしんどい毎日でした。
ーそのような厳しい状況を支えた「支柱」は何だったのでしょうか?
実は5歳の頃から「絶対にパティシエになる」と決めていたんです。自分の人生をかけて目指してきた夢でしたので、「何があっても絶対にやり遂げるんだ」という強い気持ちだけはブレませんでした。
ー当時、どのようにしてその試練と戦っていたのですか?
資金も時間も体力も限られている中でしたので、まさに毎日が自分自身との戦いでした。それでも「絶対に夢を叶える」という覚悟があったからこそ、目の前の課題を一つひとつ乗り越えていくことができました。
妥協なきブランド経営
ーブランドづくりやマーケティングで意識されていることはありますか?
目先の売上のためにブランド価値を崩さないことです。例えば、原色系のスイーツは需要があって集客しやすいのですが、当店はあえてそちらには寄せすぎず、持ち味である「気品あふれる世界観」や「美味しさ」を徹底して守るように提案しています。
ーSNSなどの情報発信で気をつけているポイントを教えてください。
Instagramなどの発信でも、お店独自の世界観を壊さないことを第一に考えています。広告費をかけなくても、自分たちの世界観に共感してくださる方々へ届くよう、ブレない発信を継続することを意識しています。
ー採用やスタッフの教育において大切にされていることは何ですか?
採用もSNS等を通じて自然に集まっていただき、毎回多くの方に応募いただいています。教育に関しても、挨拶や接客のマニュアルやお手本は示しますが、今の社員たちは自ら考えてお店を良くしようと動いてくれるので、信頼して任せています。
未来への展望とメッセージ
ー今後、お店としてどのような夢や目標をお持ちですか?
よりブランド力を高め、「神戸を代表するブランド」の一つとして、多くの方に愛していただける存在になりたいと思っております。また、神戸の店舗にとどまらず、今後は全国へ店舗を展開していくことも目標の一つです。より多くのお客様に当店のお菓子を知っていただき、お菓子を通して心がときめく瞬間や、幸せな時間をお届けできる機会を増やしていきたいです。
ーブランド力をさらに高めるための具体的な構想はありますか?
まずは、紙袋や包装、メニューなどのデザインや仕様をさらにブラッシュアップし、細部にまでこだわり抜くことで、お店全体のブランド価値を高めていきたいと考えています。そして、ブランドとしての世界観をより確立したうえで、今後は広告や情報発信にも力を入れ、より多くの方に当店を知っていただく機会を増やしていく予定です。
ーこれから起業を目指す方へアドバイスをお願いします。
伝えたいのは、「いつかやろう」の“いつか”は絶対に来ないということです。環境が完全に整っていなくても、「やりたい」と思ったその瞬間がベストタイミングです。一歩を踏み出してしまえば、周囲の助けや新しい道が必ず拓けていきますので、自分の気持ちに素直に挑戦してほしいですね。
ー最後に経営者になって良かったことはありますか?
今は社員を雇い、私がいなくても安心して現場を任せられる環境が整っています。そのため、子どもの急なお迎えにも対応できますし、「行きたい」と思ったらその日のうちに海外へ行くこともできます。いつ、どこで、何をするかを自分で自由に選択できることが、経営者になって感じる最大のメリットです。また、私は自分の大好きなことを仕事にして起業したので、毎日好きなことに向き合えることにも幸せを感じています。仕事と趣味の境目がないほど、日々楽しみながら働くことができています。もちろん、開業当初はリスクもあり、大変なこともたくさんありました。それでも、今こうして自由な働き方を実現できたことで、「あの時、頑張って本当に良かった」と心から思っています。