創業の原点と組織の歩み
ーまずはじめに、創業を決意されたきっかけについて教えていただけますでしょうか。
前職で不動産営業をやっていた時代に、世間でも話題になった「かぼちゃの馬車」問題など、不動産投資で失敗してしまう方を本当にたくさん目の当たりにしてきたんです。目先の利益ばかりを追う業界構造に強い疑問を感じて、「山本に相談すれば絶対に安心だ」と言ってもらえるような存在になりたいと思い、独立を決意しました。
ー最初から複数名でのスタートだったのですか?
いえ、最初は完全な一人での独立を想定していたんです。ですが、創業メンバーである大島が「一緒にやりたい」と合流してくれて、結果として2名でスタートすることになりました。
ー現在の組織規模はどのくらいまで拡大しているのでしょうか?
当初は2名での手探りの船出でしたが、メンバーが増えて現在は13名です。一歩ずつ着実に組織としての基盤が育ってきているのを感じています。
独自の経営理念と顧客本位のポリシー
ー貴社が掲げる経営理念や大切にされている考え方を教えてください。
弊社の経営理念は「全従業員の物心両面の幸せを追求すること」です。そして、社会から「いなくてもいい」と思われるような不動産業者には絶対にならないこと。社会から愛され、必要とされる会社であり続けることを何よりも重視しています。
ー会社の透明性を維持するために取り組まれていることはありますか?
毎月の決算書や試算表をすべて社員に公開しています。経営状態をオープンにすることで、全員が同じ方向を向いて安心して働ける環境を作っています。
ー営業体制における「大吉不動産ならでは」の特徴はどこにありますか?
一般的な不動産会社と異なり、営業スタッフへの「歩合報酬」を採用していません。歩合給があると「目先のお金」目的の強引な営業になりがちだからです。また、経験の浅い若いスタッフがお客様にご迷惑をおかけしないよう、必ずベテランが同行するOJTスタイルを徹底しています。
事業の強みと集客の取り組み
ー不動産投資仲介というメイン事業において、最大の強みは何でしょうか?
お客様に対して「これはやめた方がいいです」と率直にお伝えできる点ですね。目先の契約数よりも、お客様が将来的に失敗しないことを一番に考えたアドバイスを徹底しています。
ー現在の問い合わせ状況や集客の規模についてはいかがですか?
ありがたいことに、現在は年間で約1,000件ほどの新規問い合わせをいただいています。弊社の姿勢に共感してご相談くださる方が多く、大変嬉しく思っています。
ー具体的にはどのような媒体から集客されているのでしょうか?
ポータルサイト掲載をはじめ、SEO(融資関連記事の上位表示)や過去のお客様からの口コミ紹介が中心です。また、最近ではAIによる紹介案件も増えてきています。ホームページには社員の顔写真をしっかり掲載し、私自身の言葉で文章を執筆することで信頼感を醸成できるよう工夫しています。
創業期の苦難と未来へのビジョン
ーこれまでの道のりで、特に苦労されたエピソードがあればお聞かせください。
創業からの約2年間は深刻な資金難が続き、本当に大変でした……。社員への給与支払いが遅れそうになったり、個人の貯金を全投入したり、借入を繰り返すような綱渡りの状態でした。また、リーマンショックでの苦い経験から「急激な拡大は避ける」という教訓を得て、現在は一段ずつ基盤を固める成長方針を堅持しています。
ー今後の事業展開や目指すビジョンについて教えてください。
売上規模で1位を目指すつもりはありません。それよりも、リノベーションや宿泊業など「尖った独自路線」で社会に価値を届けることを目指しています。今後はAIによる業界の変化も見据えつつ、不動産業の枠内で新しいチャレンジを継続していきたいと考えています。
ー最後に、これから起業や独立を目指す方へメッセージをお願いします。
目先の利益を得るためにグレーな手法に頼らないでほしい、ということですね。どれだけ時間がかかっても、自分たちの理念を軸に誠実にやり続けることこそが、結果として会社を長期的な成長へと導く一番の近道だと思います。